EoEをクリアしたので総評を

エンドオブエタニティのストーリーモードをクリアし、隠しダンジョンも攻略できたので、ここらで総評を書こうと思います。
点数を付けるとすれば
10点
ですね。
全く欠点がない10点満点という意味ではなく、欠点を考慮してもそれを補って余りある魅力があるという事での10点。
ま、個人的な感性を除いて冷静に判断するなら頑張っても9点。欠点をあげつらって辛めに付けるなら8点。

EoEの一番の魅力は、やはり独自性が強く戦略性の高い戦闘システムですが、ストーリーやキャラクターの魅力も大きい。
ストーリーに関しては、世界観や裏設定などがほとんど説明される事なく投げっぱなしで終わってしまうので、物足りなく感じる人も多いと思います。細かい世界設定などはともかく、ラスボスやその周辺の人間が何を思い行動していたかすらはっきりとは語られません。それどころか、今起こっている事件に直接関係のある主人公達の過去すらはっきりとはしません。
ただ、個人的にはこの手法は好きですね。EoEのストーリーは、世界観や主人公達の過去にまつわる事件が関わってくるのですが、主人公達は世界を救うためでも、自分達の過去にけりをつけるためでもなく、「今をどう生きていくか」ということを第一に行動しています。
世界観や過去の事件に関しては深みを持たせるための味付け程度の物。そう割り切って楽しめる人であれば、むしろこと細かく語られないがゆえに色々と想像力をかきたてられると思います。
EoEのストーリーは、壮大な物語を楽しむというより、主人公達の何気ないやり取りを楽しむ物です。ミッションの前後で繰り広がられる会話や、戦闘中の掛け合いが面白い。台詞回しとかのセンスがいいし、会話のテンポも良い。あと、NPCの変人っぷりもよし(笑)。
チャプター4。若本さんの「なんじゃこりゃあ」↓

チャプター12。結婚式↓

では、残念に感じた点をいくつか。
一番気になるのは、やはりいろいろな点で説明不足という事でしょうか。
他に例えようがない独特な戦闘システムなのに、具体的にどういう風に活用するべきかは説明してもらえません。
順を追ってシステムを開放していく様なベタなチュートリアルを入れる必要があるとは感じませんが、ストーリーを進めていく内に自然とシステムを理解できるような仕掛けはあった方が良かったと思います。
他にも、メニュー画面や銃のカスタマイズ画面ですら操作法をちゃんと理解できずに進めてしまう人が多いのも問題。
もちろん、それらは説明書には明記されている事柄ですし、ゲーム中に参照できるマニュアルもあるし、画面を見ればこの場面ではどのボタンでどんな操作を行えるかきっちり書かれています。
しかし、なぜかそれらがプレイヤーに伝わりにくくなっています。
後は、細かい事なのですが後半のやり込み要素にやり込み甲斐が無いところでしょうかねー。
特に気になるのが、銃のカスタマイズがゲーム中盤からあまり代わり映えがしなくなってしまうという点。
その原因となっているのが、パーツの使用方法に応用法が少ない事と、後半に出てくる組み込むのが難しいパーツが全く意味を成さないせいでしょう。
後半に出てくるパーツの無意味さが深刻で、スペースを多く割く上に接合部が複雑になっているという使いにくい形なのに性能が低い。例えば、サブバレル二本分のスペースを取るパーツが、普通にサブバレルを二本付けるよりも性能が低い。唯一の利点は重量が軽く済ませられる点なのですが、高レベルになると重量に余裕が出てくるので、そんなところで重量の削減をする必要が無い。
中盤以降に銃のカスタマイズが代わり映えしなくなる原因は、後半に出てくるパーツの無意味さ以外にもう一つあります。それは銃の種類が少ないため、序盤に使っていた銃と後半に追加される銃は基本性能が違う程度で、カスタマイズの基本は変わりません。
隠しダンジョンで手に入る銃も初期装備の強化版でしかなく、手に入れた後の楽しみは少ないです。
ハンドガンは形状が限られているので変化は付けにくいでしょうが、サブマシンガンは種類を増やせば形状やサイズに変化を付けられたはずなのに、実質二種類しかないためカスタマイズのし甲斐がありません。
カスタマイズの枠をもっと細かいマスで区切って銃の形状の差がはっきりと出る様にするか、もっとパズル的な凝った組み合わせが可能なパーツを追加してくれれば、後半の変化のなさは避けられたと思うので残念。
それと、カスタマイズによる強化が一定の数値を超えると実感できないレベルになってしまうのも問題。例えば、チャージ速度が100の銃と400の銃で400の銃の利点を感じられるのはかなり限定された状況のみで、実用性はあまり差がない。
凝った戦闘システムと反して、銃のカスタマイズはちょっと練りこみ不足な印象を受けますね。


現状でもはまる人はどっぷりはまれる良作ですが、続編が出ればさらに化ける可能性を秘めたゲームだと思います。