ナイトウィザード最終回

ナイトウィザード The ANIMATIONは遂に最終回を迎えました。
星を継ぐ者から始まった柊蓮司サーガもこれにて完結。初期からのナイトウィザードファンとしては感慨深い物があります。
アニメ完結に合わせて、小説版の「柊蓮司と宝玉の少女」も読みました。
今回はアニメだけでなく小説版のネタバレもあるので注意して下さい。





















まずはアニメの最終回。
前回も書きましたが、ゲイザーの行動に関して少々説明不足な感じはありますが、そこを除けば話は綺麗にまとまっていて良い最終回だったと思います。
そんな中、一番印象に残ったのは「伏線の回収」でしょうか。
随所に散りばめた伏線を、最終回付近で一気に回収するというやり方は、原作者の菊池たけしさんのリプレイでは良くあることなのですが(きくたけリプレイといえば、最初から予定していた物から、プレイヤーの何気ない発言を伏線として採用した物まで、「そんな物まで伏線なのか!?」というくらい伏線を散りばめ、最後は綺麗に回収する)、アニメの最終回でもそれに通じるほどの伏線回収を見せていましたねー。
話の根幹部分の伏線はもちろん、エリスの夢の中でキリヒトが取ったちょっとした行動が伏線だったとは。
まあ、エリスの夢の中に関しては魔王が迷い込んだヤバ気な扉があったので、まだ「なるほどねー」という感じでしたが、エリスがキリヒトにビンタを見舞った時にキリヒトが口から血を流したことすら伏線とは思いませんでしたねー。
「ビンタ程度で口から血を流すのはちょっと演出過剰じゃないか?」って思ってましたが、伏線とは気付きませんってー(笑)。
そういえば、圧倒的な力を持つキリヒトが傷を負ったのって、シャイマールの攻撃を受けた時と、エリスに殴られた時だけでしたね。
こういう一見重要そうじゃない何気ない描写が後の大きな出来事への伏線ってのは、きくたけさんが良くやる手なんですよねー。まさかこんなところにまで原作っぽさを出してくれるとは思いませんでしたよ。


それでは他に気になったことを順に書いていきましょう。

「コイズミ」
遂に本編中に名前が出てきましたよ。何か知らないけど小泉さんは制作者サイドに人気あるなー。DVDの初回限定ブックレットに、追加コネクションとかでロンギヌス・コイズミが出るんじゃなかろうか?(笑)

ディバインコロナ
アニメでは初級魔法ばかり使われていましたが、ようやく最強クラスの魔法が登場。
天属性の最強魔法。単体魔法ではあるがその分攻撃力が高い。
ただ、その最強魔法もゲイザーの神の盾がどれほど強力であるかを演出するためだけの物でした(笑)。

ヴァニティワールド・アンリミテッド
ヴァニティワールドは虚属性の最強魔法。単純な攻撃力ではディバインコロナに劣るが、虚属性の魔法は相手の魔法に対する防御力をある程度無効化できる特徴があるので、強いな敵に対しても効果的なダメージを与えられる。
が、やはりゲイザーの(以下略)。
アンリミテッドってのはベルのオリジナルでしょうか?DVDのブックレットにデータが載ることを期待。

いまさらですがー
ここまで原作を大事にしているアニメなのに、何故にくれはの胸を大きくしたのかねー。いや、まあどっちでも良いんですけど(笑)。

「元気にはわはわ言ってるよー」
いや、元気なのはわかったがその台詞はどーよ(笑)。
なんかもー「はわ」が口癖ってレベルじゃ収まらなくなりましたねー。

クライマックスでエンディング曲
これは良くある手法だけど、それがまたいいですねー。歌詞を意識した演出があるのもまたよし。

柊蓮司卒業
柊蓮司が卒業したというのは都市伝説とまで言われていましたが、普通に卒業してますね(笑)。

どんぺり
緋室灯のペット。フェレットの「どんぺり」。最終回で唐突に登場してましたねー。


最終回を見終わってでた感想は
いやー。やっぱり王道っていいねー。
でした。


で、柊蓮司と宝玉の少女の方ですが「基本の設定は一緒でも全然違う話」とは言われていましたが、その基本設定の部分でアニメのネタバレが満載なので、小説はアニメの終了まで読まないでおいて正解でした。
アニメの方ではかなり後半で明らかになるエリスの生まれについて、小説では序盤でいきなりネタが割れます。
宝玉の力を使うために作られた仮初めの生命体であるということは上巻のかなり最初の方でわかってしまいますし(小説では柊蓮司とくれはが慈愛の宝玉を探しに行った時に、宝玉からエリスが飛び出してくる。アニメと違って偽物の記憶を持っていることもなく、生み出されたばかりで何も知らない人間として描かれている)、エリスがシャイマールであることも上巻で早々にわかってしまいます。
そんな感じなので、アニメを楽しむためには事前に小説を読むことはオススメできないですね。
ただ、原作ファンやアニメで原作に興味を持った人には是非読んでもらいたい内容です。
アニメとの大きな違いは、小説は原作を知っていることが前提で、より細かい設定を活かして描かれていると言う点。
小説ではゲイザーだけでなく現夢神やTISが登場しているので、原作の設定を知っている人にとってはゲイザーの行動がわかりやすい描かれ方をしています。
現夢神の話まで描くとややこしい話になってしまうため、小説と同じ設定でありながらもアニメの方では一切描かないことにしたようです。
原作の設定を知らない人のために軽く説明しますと、現夢神は第八世界ファー・ジ・アースと呼ばれるこの世界の管理者。
現夢神は夢見る神とも呼ばれていますが、今の地球は現夢神が見るの夢により生み出された物。そうして新しい世界を生み出すことで、古代神(後の魔王)を裏界へと封じた。
眠りについた夢見る神の現し身として生まれたのがTISとゲイザー。
現在、現夢神の力を必要とするような神の戦いが始まろうとしているため、ゲイザーは現夢神の夢、つまり今の世界を滅ぼして現夢神を目覚めさようと、シャイマールの転生体であるエリスを利用した。TISはこの世界を滅ぼしたくはないと思ったため、エリスと世界の命運を柊蓮司に託した。

この様に、世界設定の根幹に関わる事柄が絡んでいるのですから、ゲイザーに関してだけは小説が正史なんでしょうね。

ナイトウィザード The ANIMATION 柊蓮司と宝玉の少女 上巻 (ファミ通文庫)

ナイトウィザード The ANIMATION 柊蓮司と宝玉の少女 上巻 (ファミ通文庫)