ナイトウィザード第二話「下がる男」

第二話が放送になったので、感想と解説をしましょう。
未見の方は読まない方が良いです。



前回の次回予告でわかっていたことですが……。
柊蓮司の学年がまた下がった(笑)。
そればかりか立場まで下がっているってのは……。
エリスと同棲というネタは「どーせくれはの妨害が入るんだろう」とは思っていましたが、ベランダに追いやられてテント生活って……。
今回は説明シーンが多いのでだれてしまう恐れがあったのですが、長い説明シーンの前後に哀れな柊蓮司の姿を描いていたためか、思っていたよりだれずにすみましたね。
その後は日常の描写もほどほどに、第二の宝玉探しが始まるという少々巻き気味な急展開ではありましたが、下手に引っ張ってだれた展開にするよりは良かったかと。
緋室灯の登場や、第三話への引きはベタな展開でしたねー。
でも、そこが良い(笑)。
まだ第二話ではありますが、この調子なら結構安心してみられそうですね。


では解説。

☆オープニングが普通になった
前回は本編を使い回した映像がありましたが、今回は普通に全てがオープニング用の映像でした。
多分、エリスの目や箒というネタバレを防ぐための処置だったのではないかと。


☆ご家庭の事情により、今日から二年生になりました。
柊蓮司が二年生になった理由はとして、担任の先生は「ご家庭の事情」というよくわからない理由をあげていますが、この言い回しはリプレイ「星を継ぐ者」で田中天さんがNPCである担任の先生を乗っ取って勝手に演出した台詞に準じている。

リプレイでの台詞はこんな感じ。
グィード:えー……柊くんはぁ、ご家庭の事情でぇ、三年生になるはずのところをなぜか!今日から一年生のクラスに転入することに、なりました(爆笑)。

黒板に書かれた
なぜか二年生
柊蓮司くん
という文字も、リプレイの挿絵に書かれていた
何故か一年生
柊蓮司くん
という文字を意識している様だ。


☆みなさんより年齢は上ですが、どうか暖かく迎えてあげて下さい。
これもリプレイで田中天さんが言った台詞に準じている。
グィード:えー、みなさんより年は上ですが、差別せず、暖かく迎えてあげましょうね(一同爆笑)。


☆去年は一年生になってなかったっけ?
アニメで描かれているのは柊蓮司が卒業間際の二月の話。
去年というのは去年の四月。本来であれば柊蓮司が三年生になる時のこと。


☆裏界(りかい)
別名ファーサイド
超至高神によって生み出された108の古代神が、超至高神に造反したことで10万年に及ぶ戦いが起る。
戦いに敗れた古代神は世界各所に封印されることになり、その一つが第八世界ファー・ジ・アース。
そこに夢見る神と呼ばれる存在が降臨し、夢見る神の夢の中で生物が生れ文明が育った。
夢見る神の夢が顕現したの「表の世界」と、その裏に隠された「裏界」が同次元上に重なって存在することになった。
裏界に封印された古代神は、後に魔王と呼ばれる存在となり表の世界に侵攻を開始した。

菊池たけしさんが作り出した数々の世界の繋がりを知ろうと思うとここまでの説明が必要だが、ナイトウィザード単品(特にアニメのみ)で楽しむ上では必要のない知識。
アンゼロットの説明の様に「裏の世界が存在していて、そこから敵が攻めてくる」と言う認識で十分です。
なお、設定に「超」とか「超☆」という言葉が出てくるのは菊池たけしさんの世界観では良くあること。
「ダサい」とか言わない。意図してやっている事なので、そう言う突っ込みがあってこその世界観。


☆世界は彼らに狙われている
「世界は狙われている」というのはナイトウィザードのキャッチコピー。
この世界は狙われてなんぼ。滅亡に危機に見舞われてなんぼ。


☆空想上の怪物と信じられている物全て、裏界からの侵略者、エミュレイターなのです
この言い方だと原作の設定とは少々のズレが生じている。
明確な形を持っているのは魔王と呼ばれる存在のみで、基本的にエミュレイターは不定型。人や動植物、場合によっては無生物に取り付くことで形を成す。
その際、取り付いた存在とは大きくかけ離れた姿になる。それを見た人間がエミュレイターを悪魔や妖怪にたとえたと言うのが本来の設定。
この設定そのままだとややこしいので簡略化したのだろう。
原作でもドラゴンを「ドラゴンみたいな姿のエミュレイター」と表現することはなく、伝説にあるドラゴンと同一視して捉える事が多い。
ではエミュレイターが不定形という設定が生きていないかというとそうではなく、エミュレイターに乗っ取られた友人を助けるとか、幼馴染みだと思っていた少女はエミュレイターが人の姿に転生した物だったという様な話で登場するのが不定形のエミュレイターの典型。こういうエミュレイターこそがシナリオのボスとしてふさわしい。その事件に裏で魔王が動いていたりするとなお良し。
ナイトウィザードはエミュレイターを退治して回る話ではあるが、ファンタジーRPGにある様な「洞窟の奥にいるドラゴンを退治してくれー」という単純なモンスター退治の話は、ナイトウィザードのシナリオとしては余りふさわしくない。


☆アイン・ソフ・アウル(もしくはアイン・ソフ・オウル)
エリスの箒の名前らしい。
台詞を聞き取って適当に調べただけなので、この読みが正しいのかはわかりませんが、Wikiでこんなのが出てきました。

アインは無と訳され、0で表される。 アイン・ソフは無限と訳され、00で表される。 アイン・ソフ・アウルは無限光と訳され、000で表される。アイン・ソフ・オウルと表記されることもある。 アインからアイン・ソフが生じ、アイン・ソフからアイン・ソフ・アウルが生じた。

生命の樹 - Wikipedia

アイン・ソフ・アウル以外の項目も読みましたが、ぶっちゃけ何の事やらさっぱりわからん(笑)。無限光と訳すことはわかった。
単純に伝説の武具の名前とかではないものの、遺産クラスの物という事なんでしょうかね?
でも、そうなると「箒」という表現は適切ではない気もする。アニメでは「ウィザードの使う特殊な武器=箒」というざっくりとした捉え方なのかも。


☆月衣(かぐや)から扇子
月衣は武器に限らず様々な物をしまうことが出来るが、通常の重量制限はそのまま適応される。
そのため、武器や防具を月衣にしまえば、それだけで容量が一杯になってしまうことが多い。四次元ポケットほど便利な物ではない。
ただし、扇子の程度の物なら常識で考えられる程度の数であれば重量制限と関係なく所持を認められる。
生物を月衣に入れることは、サイズや重量問わず基本的に認められない。


☆俺なんか、今日だけで三回も呼び出し食らったもんな
明らかにオーバーワーク。相当特殊な事態でなければ、ウィザードといえどもここまでこき使われる事はない。
まあ、柊蓮司だし……。アンゼロットだし……。


☆世界は今まさに、破滅の危機を向かえているのです
ナイトウィザードのお決まりの展開。この世界には数え切れないほど破滅の危機があふれています。
破滅の危機を向かえぬシナリオなどナイトウィザードのシナリオではない。


☆世界を救う方法をあなたは手にしているのです
なんという都合の良い設定。しかしこの世界は、破滅の危機を向かえるとそれを回避できる力を持った勇者を世界自らが生み出すという、非常に都合の良い機構が備わっているのです。
中には、一つに危機から世界を救うためだけに生み出され、世界を救うと役目を終えて消えていくという悲しい運命の勇者もいる。


☆「引き受けてくれますね。エリスさん」「はい!」
即答ですか!?
まあ、ウィザードの鏡ではある。ウィザードが世界を救う事に積極的なのは大前提ですので、変に理屈をこねたり非協力的なのはNG。
世界の危機にみんなで立ち向かう。そう言うシンプルな話がナイトウィザードの基本スタイル。ひねた話は他でやれば良いんです。


☆柊蓮司の秘密
くれはがこれをネタに柊蓮司を脅しているが、その内容に関しては謎のままである。
柊蓮司が不良(今では不良とはほど遠い雰囲気ですが)になったのも、幼馴染みのくれはに恥ずかしい秘密を握られて以来やさぐれてしまったからという話も……。何にせよ、真相は不明。


☆あれは見た目は子供だが、本当はかなりのおばはんだぞ
アンゼロットの外見年齢は14歳。
遥か古代に地球守護のために降臨したとされているので、実年齢はおばはんどころの騒ぎではない。


☆二つ目の宝玉の在処が見つかりました
と、エリスとくれはを迎えに来た人物。似た格好をした人がちょくちょく出てくるが、彼らはロンギヌスと呼ばれるアンゼロット直属の特殊部隊のメンバー。
ロンギヌスというのは略称で、聖槍とは特に関係がない。
正式名称は『超時空多次元機甲特殊武装黄金天翼神聖魔法騎士団』。登場するたびに正式名称が変わるので覚える必要はない。
過去にはアーサー・ペンドラゴンや安倍晴明もロンギヌスに所属していたとか。
柊蓮司はロンギヌスではない。

■服務規則
一、アンゼロット様のためなら死ねる。
一、地球の平和を守り抜く。
一、エミュレイター、カッコ悪い。
一、決して仲間を見捨てない。
一、後は適当に。
 以上のこと、背く者はロンギヌス道不覚悟につき軍法会議


☆アンゼロットの紅茶
柊蓮司は以前、アンゼロットにレベルの下がるクスリの入った紅茶を飲まされているため、紅茶には絶対に口にしようとしない。


☆ゴーレム
物理攻撃に対する高い防御力があり、攻撃力も高い。
魔法に対しては弱いはずなんですが、ヴォーテックスは全然効いていませんでしたね。


☆エンチャントフレイム
武器での物理攻撃を火属性の魔法ダメージに変更する魔法。
柊蓮司は魔導力が低いので武器の攻撃力その物は低下してしまうが、物理攻撃に対する防御力が高い敵に対しては有効。
ゴーレムはレベル3のクリーチャーなので、本来のデータではエンチャントフレイムのかかった柊蓮司の一撃であれば大ダメージを与えられる。


☆さすが、下がる男
緋室灯。無口キャラだが口を開くと結構ひどいことを言ったりする。
まあ、アンゼロットと中の人一緒だし。
アンゼロットと緋室灯の声が同じと言うことに特別な意味はない。
緋室灯はリプレイの紅巫女で小暮英麻さん自身が担当したキャラで、ナイトウィザード通信(現在はふぃあ通)というインターネットラジオではアンゼロット役も小暮英麻さんが担当していたので(パワー・オブ・ラブではPCとなったアンゼロットのプレイヤーも小暮英麻さんが担当)、その流れで小暮英麻さんが二役を兼ねることになった。




解説と言っても、大まかなネタは本編で語られたので、用語の補足と原作との比較程度になってきましたね。
次回以降は必要ないかもしれません。