アリアンロッド・リプレイ・ハートフル３

アリアンロッド・リプレイ・ハートフル３「迷夢のコントラスト」
ハートフルシリーズも気がつけばもう３巻。そしてまだまだ続く様子。アリアンロッドのリプレイはどれも長期シリーズになりますねー。
ハートフルシリーズの大きな特徴としては、明確な主人公がいない（一応ファムが中心ではありますが、他のリプレイにおけるPC1の様な感じではない）ということと、シナリオの仕組みが毎回違うと言う事があります。
そのため、シリーズ物なのにシナリオごとに雰囲気がガラリと変わり、非常にバラエティに富んだ展開を見せるという面白さがあります。
アリアンロッドと言えば「ダンジョン攻略」とか「敵を倒してドロップ品ゲット」といった、非常にゲーム的な展開になりがちなシステムなので、ハートフルシリーズは実に見事にアリアンロッドの新しい遊び方を提示しているのではないかと。

そんなハートフルですが、一番の見所といえばやっぱりきくたけさんの三下っぷり（笑）。
大畑顕さんと小島めぐみさんという強力な三下プレイヤーを起用したのも関わらず、英麻さま（小暮英麻）の迫力に押されてきくたけさん一人が三下街道をひた走ってますからね。
ただ、今回はきくたけさんのキャラであるカッツ・バルゲルにスポットが当たったため、比較的三下風味は薄れていました。
まあ、三下風味が減ってもいじられキャラなのは変わらないんですけどね。
いつものように英麻さまのカミュラに振り回され、英麻さまに乗っ取られた妹に翻弄され……（笑）。
最近の英麻さまは本当に他のプレイヤーのいじり方が上手くなってきたなーと思います。きくたけさんが振り回されっぱなしになるのも仕方がないですね。
ただ、あれは熟練のGMとプレイヤーが集うF.E.A.R.のリプレイだから出来る事。あそこまでの事を熟練者の少ないプライベートでのTRPGでやってしまうと大惨事を巻き起こす事は必至です（笑）。
英麻さまといえば、相変わらずのダイス運の良さも見所。
「クリティカルを出さないと負け」という絶望的な難易度を前にしても、英麻さまなら普通に出しそうな気がしますもんね（笑）。
カミュラとカッツというインパクトが強めの二人に押されてはいますが、ヴァリアス（大畑）とファム（小島）の二人もしっかりと自分のキャラを確立して活躍しています。
大畑さんは活躍して当然としても、小島めぐみさんの成長ぶりは目を見張る物があります。
単純にTRPG慣れしてきているだけでなく、三下ではないちゃんとしたキャラ立ても出来てきています。俺とか俺の周囲の人で、TRPGを数年プレイしただけでこの域に行けた人は稀ですよ。
まあ、相変わらず清純派とは違った面白い方向に行ってしまっているのはご愛敬（笑）。面白いというのはTRPGのプレイヤーとして大きな武器ですし。

迷夢のコントラスト―アリアンロッド・リプレイ・ハートフル〈3〉 (富士見ドラゴンブック)