チョココロネ/セイコーマート

ゲームのロードを待つわずかな時間で、たけぽんはチョココロネを袋から取り出した。
視線は画面に向けたまま、チョココロネを細い方から一口……


二口……。


そして、三口目にしてたけぽんはある異変に気がつく。


三口も食べ進んでいるというのに、一向にチョコに辿り着かないのだ。

不審に思ったたけぽんがチョコが満ちてるはずの穴を覗いてみると、チョコが見えるのは遥か先……。
そう。チョコはチョココロネ全体の四割にも満ちていないのである。
更に食べ進めてチョコに辿り着く頃には、チョココロネはチョココロネであることを証明するに足る形状を保っていなかった。
そのチョココロネには、細い方から食べ進めると押し出されたチョコが太い方から溢れ出すという、チョココロネとしては至極当然な法則すらも通用しない。
そんなチョココロネはチョココロネと言えるのであろうか。
否。それは断じて否である。
形状、素材、製法など、チョココロネをチョココロネたらしめる要因が満たされていようとも、それを食す者を満たすことが出来なければ、その存在価値は否定される。
ましてや、このチョココロネはチョコの総量が少ないという致命的な欠陥があるのだから、チョココロネたり得る要因を満たしているかも怪しい。
「こんな物は……こんな物は俺が望んでいたチョココロネじゃない!!」


……
……
もう少しこのネタを続けようかと思いましたが、いい加減バカらしくなってきたのでここらで終了。
セイコーマートで売ってたチョココロネはチョコが少なくて外れでした」って話を、無理矢理盛り上げようとしてみただけです。