ぎゃぼー

のだめカンタービレはかなり前から友人から薦められていたんですが、読む機会がないままズルズルと過ぎていく内に、気が付けばドラマになったりしてすっかり話題作となっていました。
そこまで話題になるのだからチェックしてみようとも思ったのですが、やっぱりまたズルズルと……
やはり、題材がクラッシック音楽と言うのが気軽に手が出ない要因でしょうね。
それが今になってチェックし始めたのは、もやしもんという俺の大好きな漫画でのだめが取り上げていたのが切っ掛けです。
最初にもやしもんのだめのコラボが行われたのは、のだめカンタービレ#15Lesson88。のだめカレー事件の話です。
その話の時に、のだめの部屋、そしてのだめのカレーの中にうようよいる謎の生物。あれがもやしもんに登場する菌達です(もやしもんの主人公は菌が見えるという設定があり、漫画に描かれている菌達の姿は主人公が視覚的に捉えている姿。菌を顕微鏡で拡大した姿とは異なります)。
菌は食品の発酵や腐敗、酒の醸造などに深い関わりがあり、もやしもんの菌達はそう言った現象を引き起こす際「かもす(醸す)」と言う言葉を使います。のだめに出てきた菌が言っている「かもすぞ」がそれです。
で、俺がのだめに興味を持つ決定打となったのは二度目のコラボ、もやしもん4巻の冒頭が何故かのだめカンタービレの主役2人の人物紹介から始まったのを見た時でしょう。

「彼女は野田恵
「楽譜嫌いの天才肌ピアニスト
かもしに負けない天才的な内蔵も併せ持ちまス」

もう、最後の一文でのだめに対する興味が沸々とわいてきました(笑)。
ついでに言うと、のだめが上げていた「ぎゃぼ」という意味不明な奇声も興味がわいた一因。
とはいえ、また何だかんだとやる事があってチェックは怠っていたのですが、今年に入ってのだめのアニメが始まり(北海道は放送開始がかなり遅かった)、友人の一人(冒頭に挙げた友人とは別)から毎週の様に「のだめ、のだめ」と色々話を聞かされたので、「とりあえずアニメからチェックしてみようか」という気になりました。

友人の話では、アニメはイマイチ原作の良さが出ていないという話でしたが、実際見てみたら原作云々は置いといてかなり面白い。
コメディ部分は非常にテンポが良く、ハイテンションでおかしな言動を繰り返すのだめと非情なツッコミをする千秋が上手い事噛み合っていて、かなり俺の笑いのツボに入りました。
そんなコメディ部分が目立つ事に加えて、クラシック音楽という題材も歴史や技法と言った専門的な事を堅苦しく描くのではなく、素人でもわかる感覚的な部分や人間的な部分を描いているため、クラシック音楽という事を意識せずに楽しめます。
アニメでは、実際に楽器やオーケストラの音を使っているため、意識せずに自然とクラシック音楽に触れられるというのも良いです。
詳しい人が聴いたら音楽の部分にツッコミどころがあるのか、それとも詳しい人が聴いても違和感がない物なのか、そう言う詳しい事はわかりませんけどね。
それにしても、もやしもんとコラボになるくらいだから、のだめはどんな人なんだろうと気になっていましたが、第一話でいきなりあのゴミ屋敷……ここまでかもし放題な環境で生活しているとは思いませんでしたよ。ある意味、すごく斬新なヒロインです(笑)。

現在放送になった分のアニメは全て見終わったので、原作の方のチェックに移ったのですが、友人が言うほど悪いアニメ化じゃないですね。
というか、むしろかなり原作を大事にされており、相当恵まれたアニメという印象を受けました。
アニメを見た後に原作を読んでも、全く違和感がありません。
あえて原作との差異を挙げるとすれば、シーンがちょくちょくカットされていたり、台詞回しが変わっている事くらい。
カットされたシーンはほとんどコメディシーンですが、シーンや台詞をカットした事でテンポが上がって、より面白くなっています。
ただ、動きがあるが故にのだめの暴走具合がより際立っているので、そこは少し好みが別れるかも。俺は好きですけど。
アニメののだめの暴走っぷりが楽しいのは、声によるところも大きいですね。
のだめの声をやっている川澄綾子さんは随分前から好きだったんですが、のだめは今までで一番好きかも知れません。
ぎゃぼーとか「むきゃー」と言ったのだめ独特の奇声が特に素敵です。
奇声以外で印象に残った台詞は「転がしマス!!吊しマスー!!」ですね。
原作だと「殺しマス!!吊しマスー!!」なんですが、放送の規制等々の問題から、「殺す」を「転がす」に変えたんでしょうけど、むしろ「転がしマス」の方が馬鹿馬鹿しくて好き(笑)。
こういう細かい変更こそあれコメディ部分も基本的に原作通りのネタなんですが、川澄さんの演技にやられて笑ってしまう部分も多くあります。

何はともあれ、アニメ、原作共々今後の展開が楽しみですね。
ちなみに、のだめとコラボしたもやしもんはこれ↓

もやしもん(4) (イブニングKC)

もやしもん(4) (イブニングKC)

こっちはこっちで人気が出てきていますが、まだのだめほどの認知度はないと思うので、あえてこちらを紹介。