熱き夕陽の快男児

ダブルクロス・リプレイ・トワイライト2 が発売!
ダブルクロスとは思えないほど、ひたすら熱く、そしてどこまでも荒唐無稽なトワイライトが、遂にシリーズ化されました!!
今回のタイトルは……

熱き夕陽の快男児
第一話 ダンディ襲来!! 快男児必殺剣
第二話 男児VS復活の超魔人

一巻の時よりも更に熱く、良い感じに馬鹿っぽいイメージが強調されています。
さすがに著者である田中天(たなかたかし)さん、原稿を見て校正している時
「俺、何でこんな馬鹿なタイトルつけたんだろうなー」
とつぶやいたとか(笑)。
でも、そんな馬鹿っぷりもトワイライトの魅力ですから、これからもどんどんやっていって貰いたいです。


主人公である天花寺大悟(てんげいじだいご)の快男児っぷりは相変わらずですし、他のPC達も色々な魅力を出しているのですが、今回ばかりは敵方のクレオパトラ・ダンディに持ってかれてしまっている感じがあります(笑)。
GMである田中天さんの悪のりもあって、異常なまでの存在感と独自の世界観を持つクレオパトラ・ダンディにプレイヤー達は終始振り回され気味。
しかし、そんなおかしなキャラを相手にしても
「できれば違う形で出会いたかったな。……おまえの名は忘れないぜ、強敵(とも)よ」
と熱い展開に持って行ける天花寺大悟はさすがです。さすが快男児

それにしてもこのクレオパトラ・ダンディインターネットラジオふぃあ通で名前とキャラの雰囲気はあらかじめ聞いていたのですが、いざ登場すると予想を遥かに超えてましたね。
それにリプレイでは最初の紹介の仕方が上手いです。クレオパトラ・ダンディはPC③であるギヨーム・ド・ノートルダムハンドアウトでシナリオロイス(ロイスとはキャラクター同士の絆みたいな物で、シナリオロイスとはシナリオの都合上関係が深くなるキャラクターとしてGMから指定される)として紹介されるのですが、他のキャラクターのシナリオロイスには

トーマス・エドワード・ロレンス(1888年〜1935年)
英国の軍人にして考古学者。オスマントルコに対するアラブ人独立闘争を促し、成功へと導いた。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900年〜1944年)
フランスの作家。『星の王子様』の著者として有名であり、飛行家としても知られている。

と言った実在の人物が登場させて、第二次世界大戦前という世界観を盛り上げた後にクレオパトラ・ダンディなんてとんでもキャラを発表するものだから、そのギャップがかなり面白いです。
主要キャラとなるPC①やPC②のハンドアウトははシリアスなノリにして、PC③やPC④でオチをつけるというネタは他にもありますが、このオチの付け方は秀逸です。
ま、クレオパトラ・ダンディというオチはともかくとして、過去を舞台とする世界観で実在の人物とか事件を絡めるというのはやはり面白いですね。
個人的に、歴史などの時代背景や設定ばかり優先して進めるやり方は好きではありませんが、こうしてその時代らしいテイストを盛り込むというやり方にはとても魅力を感じます。
歴史や設定を活かすのは、ただそれらを並べ立てるのではなく、いかにしてそれらに魅力を持たせるかという事だと思います。
幸い、現在このトワイライトと同一世界観で(ただし舞台はヨーロッパではなく日本)ダブルクロスをプレイ出来る機会があるのですが、こういうネタを見るともう少しこの時代の歴史的背景や人物を調べてみようかなと言う気になります。
まあ、トワイライトは第二次世界大戦前という時代背景ながらも、ナチスの超兵器だの破壊光線だのというとんでも話なので、純粋は歴史的な部分よりも荒唐無稽な部分が大多数を占めているのですが(笑)。



リプレイ全体の感想なんですが、一巻の時と同じく
面白かった!!
という一言に尽きます。
とにかく観客を楽しませるための娯楽映画を見て、あれこれ批評するのは無意味に感じる様なものでしょうか。
このネタが良かったとか、この場面が良かったとか、この台詞が良かったとか、このルールの使い方が上手かったと言った事を考える必要もなく、ただただ純粋に楽しんで読めます。
リプレイとして目に付いたところと言えば、会話とかは悪乗りだけで進んでいる様に感じるのに、シナリオはきっちりゲームとして管理されて進むなーと言う事でしょうかね。
これは、ビーストバインドNTのサプリメント初めて田中天さんのリプレイを読んだ時から感じている事なんですが、会話はノリ重視なのにシナリオがかなりかっちりしてるんですよね。
俺がGMをやると、会話がノリで進んでしまうとシナリオもそのままノリでやってしまうがちなので、色々と見習いたい部分が多いです。