人よりレベルを上げて、人より良い武器を求めて、その先にあるのは何ですか?

「人よりレベルを上げて、人より良い武器を求めて、その先にあるのは何ですか?」
これは、.hack//G.U.というゲームのヒロインであるアトリの台詞です。
.hackとは、The Worldという架空のネットワークゲーム(ゲームの題材がネットゲーなだけで、ゲーム自体はオンライン対応ではない)を舞台としたRPG
アトリThe Worldをプレイする一人のプレイヤーなのですが、「強くなればそれで良い」という風潮と横行するPKを嘆いており、PK反対派のギルド月の樹に所属しています。
まあ、若干考え方が行きすぎている部分があり、電波キャラ扱いを受けている部分はあるのですが(キャラとしてはありな性格付けでも、これをネットゲーでプレイしているリアルな人物がいると考えると少しおかしい)、一番上に上げた台詞なんかはMMORPGをプレイすれば誰しもが一度は感じる疑問何じゃないでしょうか?
強くなるためにレベルを上げる。良い武器を揃える。そのためにひたすら狩りを行う。
では、強くなったら何をするのか?
より強い敵を狩る……
キャラクターが強くなる事だけに達成感を感じられる人ならばそれで良いのかも知れませんが、強くなる事への興味が薄く「ゲームを楽しもう」という目的でプレイする人は、ひたすら続くレベル上げるだけの日々に嫌気がさしてしまいます。
俺が、何度FF11をプレイしても30レベルくらいで一気にやる気がダウンしてしまうのはそう言う理由が大きいです。
そんな事があってか、比較的アトリには共感するところがあります。

信Onをプレイしている時の事、「お金稼ぐの大変ですねー」とか「生産の修得ってなかなか上がりませんねー」という低レベルの人達の苦労に対し、高レベルの方々が「まずはレベル上げた方が良いよ」と切り返す場面をよく見ました。


「お金を稼ぐために地道な生産で小銭を貯めてます」
「そのうち狩りで十分稼げる様になるからレベルを上げた方が良いよ」


「なるべく赤字が出ない様に生産で使う材料は頑張って採集してます」
「生産を上げたいならレベルを上げてお金を貯めてから、材料店買いで一気に上げた方が早いよ」


確かにそれは事実でしょう。でも、ゲームの楽しみ方としてそれはどうなのでしょう?効率だけを考えて、その時その時で体験出来る事をスルーして、ただレベルだけを上げるというのは……

そう言う思いもあって、セカンドキャラには姓がアト、名がで「アト リ」という薬師を作り(信Onは必ず名字と名前が必要。「月の樹アトリ」とでも名付けようか迷いました)、生産を中心にゆっくりしたペースで育てていこうと思いました。

そんなアト リも気が付けばメインキャラに昇格し、レベル上げに徹した訳ではない物の順調に成長。
特化目録に必要な断片集めも順調に進んだので、そろそろ断片目的以外の狩りにも出てみようと思い、目千と呼ばれる人気に狩りに行く事にしました。
能力値が低下するがアイテムドロップが良くなる「利き」と言う隊列で、良いアイテムが出る「引きの石洞穴」に挑戦する事から、頭文字を取って目千と呼ぶようです。
人気の狩場らしく人が溢れていますが、それ以外は他のダンジョンとこれと言った差はありません。
敵の攻撃力や生命力は高いですが、ここの来る様な人達は装備も充実してきているにので大した苦にならず、特別厄介な攻撃をしてくる敵もいないので、比較的狩りやすい印象も受けます。
狩りがしばらく続いた頃、知り合いの陰陽師の方が「」と称される(正式名知らず)高価なアイテムを引き当てました。今の細かい相場はわかりませんが、昔であれば1万貫で売れたらしいのです。
うちのアト リはその様な価値のあるアイテムを引き当てる事はできませんでしたが、雁や三椏という上位目録の断片は結構順調に集まり、特殊な装備である紋所を強化する格式帳というアイテムを何個か手に入れることができたので、それだけでも十分ほくほくです。
さらに、ふとステータスを見てみると所持金が100貫を超えてます!
まあ、狩りに費やした時間を全て生産に割いて、透漆という人気商品を数百個作って楽市楽座で売れば、同じ時間でもっと儲ける事はできます。
これはあくまで材料を全部店買いして高値を付けても売れる人気商品だからできる事で、普通の生産の様に材料を自力採集して生産しなければ黒字にならない物だとこうは行きません。
それに、その生産で稼げる経験値は微々たる物ですし、生産では戦闘目録の修得稼ぎはできません。
レベル上げと同時にお金が稼げる……なんて効率が良いんでしょう……
それからという物、目千に通い詰めになるアト リ
目千希望で徒党を組みたくて薬師を探している人も多いらしく、徒党が解散してすぐに希望も出してないのに別の徒党から誘いが来る事も……
そんな感じで目千を3連続でこなして、小田原に戻ったアト リ
「あ……狩りの時に使う薬が切れてたっけ……いいや。作るの面倒だから人から買おう」
「そういえば、侍大将から目付に昇進したいけど、勲功稼ぎに納入する物は何でしょうね?あ、鉄砲の弾だ。弾って小田原じゃ材料が買えないから面倒なんですよねー。硝石や硫黄も自分で採れる物じゃないから倉庫に在庫は少ないし……
弾を人から買って納入しちゃおう」
「やっぱり、MMOはレベル上げないと話にならないですね」


うちのアト リはもうアトリと名乗る資格が無い気がします(笑)。