.hack//G.U.最高ですねー

いいぜぇ……!来い!!来いよ!!!
俺は……ここにいるっ!!!
スケェェェェィスっ!!!

主人公のハセヲが自分の憑神であるスケィスを呼び出す時の台詞。
.hack//G.U.にはまっていた友人が、やたらとこの台詞を叫んでいたんですが、実際にプレイすると友人の気持ちがわかりました。確かにこの台詞は叫びたくなります(笑)。
前作の主人公は具体的な設定が少なく「主人公=プレイヤー」という側面があったので、いかにも「昔ながらの流され型主人公」っぽい感じでしたが、ハセヲPKK(ネットゲーでプレイヤーを殺す人をPKと呼び、PKを殺すからPKK)を繰り返した結果死の恐怖と呼ばれて恐れられるほどになったという若干アウトローなキャラです。
PKKに走る様になった経緯や、その言動は結構ガキっぽいですが、そう言う未熟さもハセヲの魅力です。
それにしても、PKKに走る様になった経緯はもちろん、志乃の事も、オーヴァンとの微妙な関係も、本当にゲームではほとんど語られないんですねー。
一応その辺の話を知らなくてもゲームだけで楽しめる様にはなっていますが、詳細を知りたければアニメの.hack//Rootsを見るしかありません。
.hackといえば、アニメとゲームで別々の話を描くなど、「ゲームのアニメ化」ではなく「ゲームとアニメの両立」をしてきた作品ではありますが、ここまでゲームとアニメが密接に関わっているのは初めてですね。
俺は.hack//Rootsは見ていたおかげで、序盤からハセヲに感情移入出来ました。
アトリが出てきた時にも
「志乃!?いや、見た目似てるけど志乃とは似ても似つかねー!」
と、ハセヲと同じ気持ちになって突っ込めました(笑)。
話には聞いていましたがアトリはなかなかインパクトが大きいですね。色んな意味でツッコミどころ満載。キャラの見た目が志乃と似ているから、そのギャップがさらにインパクトを大きくしてくれます。
.hack//G.U..hack//Rootsを見てからプレイするべきですわ。
ちなみに、最初こそインパクトが大きくてアトリの言動に引いてしまいましたが、少しプレイするとむしろ共感出来る部分が多くてお気に入りキャラの一人になりました。
.hackは架空のネットゲー「The World」を舞台としているので、ゲームに登場しているキャラクターはあくまでネットゲー上のキャラであって、そのキャラにはリアルのプレイヤーがいるという設定です。
しかし、ドラマ性やキャラクター性を際立たせるために、登場キャラクター達はネットゲーをプレイしているとは思えないほどキャラクター視点で熱く語ります。
それ故に「リアルの誰かが演じていると思うと痛々しい……」と思えるシーンは多いのですが、そこを否定しちゃうと.hackは楽しめなくなります。というか、あまりにリアルにネットゲーの雰囲気を出されても、それはそれで引きますし、面白くも何ともない。
第一、リアルさ云々を突っ込んだら「管理者が管理出来ないデータや仕様を逸脱したデータが横行し、プレイ中に意識不明者をだすネットゲー」なんかが世界で一番人気が出て何年も続いているなんておかしな話がある訳がない(笑)。
アトリの場合は、キャラを演じているというのではないのですが、ネットゲーの中の風景にいちいち感動したり、可愛いモンスターをいじめるのは可愛そうといった感じで、ネットゲーに感情移入しすぎている嫌いがあります。
ただ、これはあくまで「ドラマを盛り上がるために極端にキャラクター性を出している」のですから、現実的に見て「ありえねー!」と突っ込むのは野暮という物です。
それに、程度の差こそあれアトリのネットゲーのプレイスタイルというのは、ある意味俺の理想と言っていいものですしね。
俺はネットゲーをやる時、キャラが強くなる事にもレアアイテムを手に入れる事にも興味がありません。
新しく行った場所に感動したり、思いもよらぬ事態を楽しんだり、お気に入りの場所をうろうろしたり……そんな事にこそ価値を感じる事が多いです。
俺がアトリみたいな人にネットゲーで出会ったら、その人のお気に入りの場所で延々とどーでもいい話をしながら過ごしてしまうでしょう。俺にとっては、経験値を稼ぐよりよっぽど価値がある事に思えます(笑)。
とある友人(冒頭に出た友人とは別)はアトリは余りお気に召さなかったらしく、「言動にかなり引くと思うから、ヒロインという補正と声が川澄綾子という補正を入れても、たけぽんでもギリギリなラインだと思う」と言っていいましたが、友人の予想は大きく外れましたね。
アトリというキャラだけでも十分良かったのに、ヒロイン補正と川澄さん補正でかなりお気に入りのキャラになりました。
Fateセイバーみたいな川澄さんも良いですが、アトリみたいな声をやっているのも好きなんですよ。

さて、話は.hack//G.U.全般に戻ります。
前作と比べてかなり変わったなと思えるのが、ネットゲーの雰囲気を出す事よりもストーリーに重点を置かれたという事でしょうか。
前作は、「意識不明の友人を救う手がかりを探す」という大きな目標がありながらも、基本的にはネットゲーの中で出会う人と気ままに冒険する事が多かったです。
それが今作では、ストーリー重視になったことで自由度が減り、気ままにネットゲーをプレイしているという雰囲気はなくなりました。
それに、主人公が「プレイヤーの分身」ではなくハセヲという明確なキャラクターになった事も大きいですね。
しかし、ストーリーやキャラクターをはっきりさせる事で、前作の比ではないほど.hackの世界観を楽しむ事が出来ました。
俺はストーリーとかキャラクターがしっかり決まっている方が楽しめるんです。
あと、.hack独自の楽しさである「ネットとリアルが平行して存在している」と言う点も、前作より際立っていました。
前作と違い、主人公がBBSの書き込みにレスを付ける事があるため(ストーリー上で決められた箇所だけだが)、自分も参加しているという気分が出ます。それに、BBSの書き込んでいる人に随分個性が出ました。そのため、ゲーム中でうろうろしている「プレイヤーがいるという設定のNPC」を見かけた時に、「BBSに書き込みしていた人のキャラだ」と思い出す事があります。
前作では、BBSの中で「すごいキャラクターを見た」とか「あの人がすごい事をやった」と話題になるのは、一部の有名プレイヤー(という設定のキャラ)ばかりで、主人公の事はこれっぽっちも話題になりませんでしが、今作の主人公は「死の恐怖」としてそこそこ名の知れたハセヲですから、BBSでもたまーに話題が出ます。
さらに、前作の主人公はでっかい事件に関わっていながらも、他のプレイヤーには全く気付かれない事ばかりをやっていましたが、ハセヲはプレイヤー同士が戦うアリーナでチャンピオンになるという、一般プレイヤーにも名の知れ渡る偉業を成し遂げ、街を歩いていても「あ。チャンピオンだ」などと通りすがりのプレイヤーに声をかけられる様になります。
名のある強いPKを全部倒すというやり込み要素を達成しても、「死の恐怖が全部やったらしいぞ」などどBBSで話題に上ります。
ネットゲーでここまで有名になるというのはちょっと現実的ではありませんが、自分のした事が周りのプレイヤーに影響を与えるというのがわかりやすく表現されているので、前作よりもネットゲーとリアルが平行しているという事が実感出来ます。
ストーリー重視の弊害があるとすれば、仲間になるキャラクターが限定されていて、ストーリー的に意味のないキャラクターがいなくなったので、ネットゲー的な「たくさんの人と知り合ってワイワイやる」という感じが無くなってしまった事でしょうか。
そのためハセヲって友達少ねーな……」なんて感じてしまいます(笑)。

細かいけど前作から変わったなという点。
キャラの台詞の「(笑)」という表記が「w」に変わった(笑)。

まだまだ書く事はあるけど、時間も遅くなったので今日はここまでにします。