カペタおもしれー

capetaの12巻。面白かったですねー。
今の今まで溜め込んだ物が、ここに来てようやく出てきましたねー。
曽田正人さんの作品といえば、一人の天才がその並はずれた能力を以て伝説を作り上げていく話が多いですが、capetaの題材はモータースポーツ
モータースポーツは、マシンの性能やサポート体制が万全でなければ、どんな天才であろうとも個人の力だけでは絶対に勝つ事は出来ません。
主人公の平勝平太(たいら かっぺいた 愛称カペタ)は小学生の頃からカートを始めたが、恵まれた環境でレースに臨める事はなかった。それゆえにカペタの才能は、不利な状況からギリギリ勝利をもぎ取るというレベルにとどまっていました。
それが、12巻で遂にニューマシンと完璧なサポート体制の下でレースに出られるという状況がめぐってきました。しかも、カペタ自身の気持ちも今までにないほど高まっていて「勝つためには他人を蹴落とす事も躊躇わない」という非情な心構えを持ってレースに臨む。
こんな展開が面白くない訳がない!
もちろん、並はずれた才能を以てして性能の劣るマシンで勝利を掴むというカペタも良いですが、やはりこういうカペタが見たかった!
12巻にしてやっとこの展開ですよ。長かったー……
カート編は今回で完全に終了。次はフォーミュラに舞台を移します。
ようやく、ライバルである源奈臣と本当の意味で同じ舞台に立てる位置まで来ましたからね。今後の展開が楽しみです。

しかし、今回一番印象的だったシーンはカペタのレースよりも源奈臣のフォーミュラデビュー戦だったりします。
フォーミュラ初参戦とはいえ、あの源奈臣なんだからいつもの通りクールなんだろうと思ってましたが、レース前はガチガチに緊張してスタートをミスるという失態を見せます。
しかも、客席にいる鈴木茂波(カペタの幼馴染み。奈臣が自分のデビュー戦を見に来て欲しいと誘った)を見つけて「よっしゃ〜!!やったるで〜!!!」と気合いを入れ直すという、今まで見た事無いほど人間味あふれるシーンもあり。
ようやく100%の力を出してきたカペタには悪いんだけど、俺は源奈臣の方が好きになるかも知れません(笑)。

その源奈臣のレースはまだまだ始まったばかりのところで12巻は終わってしまいます。
毎度の事ですが、良いところで次巻に続くというパターンはつらいです……
ま、主人公のカペタじゃなくて、ライバルの源奈臣ですから「一体どうなってしまうんだ?」っていう心配はなくて気が楽ですけどね。
未だに主人公と同等の立場での直接対決が行われていないライバルが、こんなところでアクシデントに見舞われる事はないでしょうから(笑)。
でも、気になる事が一つ。
カペタが次からフォーミュラデビュー出来るのは「思わぬ形」らしいという事……
源奈臣に何かあるって事は……
曽田さんがとあるインタビューで「二人の直接対決はF-1までないと言うのも良い」みたいな事を言っていたので、あながちあり得ない話でもなかったり。
脇役が意外な一面を見せる時って、大きなアクシデントに見舞われる前兆って事もありますからね(笑)。

capeta カペタ (12) (KCデラックス)

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