嗚呼、義侠の快男児!

熱き血潮を刃と変えて、快刀乱麻に悪を断て!
嗚呼、義侠の快男児
注:これはダブルクロスのリプレイです

ダブルクロス・リプレイ・トワイライト 東邦の快男児』の帯に書かれている文です。
イラストも今までのダブルクロス・リプレイとは雰囲気が大きく事なりますし、サブタイトルも『東邦の快男児』ですから、表紙にでっかく「ダブルクロス・リプレイ」と書いているにも関わらず「これ本当にダブルクロス?」と思ってしまう作品です。
帯に注釈が入るのもうなずけます(笑)。
表紙をめくると清純可憐な姫君が遠くを見つめるイラストが。快男児が姫君を救う話とは浪漫にあふれてますなー。
で、さらにページをめくると……
脅威
これがナチスの超人兵団だ!!
見開きででかでかと描かれる荒唐無稽な兵器と超人達……
これを見せられたら「ダブルクロスのリプレイなのにイラストがしのとうこさんじゃないのは何故だろう?」なんて疑問は軽く吹っ飛びます(笑)。

ちなみに、今回のステージ(ウィザード・エイジ)の時代背景が第二次世界大戦の前、世界が戦争という夜闇に包まれる直前の時代の黄昏の時代という事で『トワイライト』というシリーズになったそうです。
そういう時代背景もこのステージの大きな魅力ではありますが、ダブルクロスの肝であるレネゲイドウィルスの解釈の仕方こそがこのステージの魅力ではないかと。
レネゲイドウィルスが発見されていないこの時代、オーヴァード達は自分が手にした力を「武術だ」「魔術だ」「神の奇跡だ」と言い張っているので、プレイヤーは様々な「自分設定」を楽しむ事が出来て面白そうです。
そしてプレイヤーが戦いを挑む相手は、レネゲイドウィルスの力を軍事利用して荒唐無稽な兵器や超人兵団を生み出していくナチスドイツ。
「冒険活劇」という言葉が実にしっくり来る物語を展開出来そうなステージですね。
次に発売されるダブルクロスサプリメントにはこのステージの詳しいデータが載るらしいので、機会があるなら是非遊んでみたいですね。
まあ、そもそもダブルクロス自体をまだ遊んだ事がないのですが……
ただ、このステージを活かすのはなかなか難しい面もありそうですね。
第二次世界大戦直前という歴史的背景は、GMやプレイヤーにある程度の知識を要求しますから、シナリオ作りやキャラクター作りが少々大変そうです。
かといって、あまりに歴史的背景にこだわりすぎると、このステージの魅力である荒唐無稽さは活かせなくなります。

とりあえず、今のところプレイ出来る見込みのない物をあれこれ期待したり心配したりしていても虚しいだけなので、リプレイの感想に進みましょうか。

感想と言っても、
面白い!
の一言で十分かと。
ゲームシステム的に凝った仕掛けとか、物語のテーマとか、そういう細かい事を抜きに単純に面白いです。
GMもプレイヤーもノリノリで、「楽しそうにプレイしているなー」という意味では昨今読んだリプレイの中で一番かと。
一応少し説明すると、今までのリプレイシリーズで基本となるのは少年少女の葛藤と成長でしたが、トワイライトはそんな青い時代はとうに過ぎた男児が大活躍する話。
一から十までとにかく男児。とにかく格好いいです男児
うむ。説明になってない(笑)。
他のプレイヤーはもちろん、全てがこの快男児に引っ張られていく様に進むというのは、少年的な主人公では絶対に出せない魅力ではないでしょうか。
ダブルクロスといえばロイスという人との絆をテーマにしたシステムが売りの一つなので、シナリオを組む際のはどうしてもそう言う部分に目が行きます。
そのダブルクロスにおいて「荒唐無稽な敵や仕掛けも物ともせずに突き進む」なんて単純明快で熱い話が来るとは思ってませんでしたね。

是非ともトワイライトシリーズが2巻3巻と続いていって欲しいです。