NINJA GAIDEN 2

ニンジャガイデン2をクリアしたので感想でも書こうかと思いましたが、Team NINJAのゲームを追っかけてきたファンとしてはまずこの話題から。
板垣伴信さんがテクモを退社することが決まりました。
DOA4の成功報酬未払いだとか、会社とのごたごたを理由にテクモを訴えたそうですが、第三者としては板垣さんの言い分とテクモの言い分のどちらが正しいかは判断できません。
ただ、板垣さんが声明を発表したのがニンジャガイデン2の発売間近の6月3日というのが引っかかります。
いくら会社を辞めると決めていたとはいえ、わざわざ自分が作ったゲームに悪いイメージを与えるタイミングでやる必要はないのではないかと。
ファンとしては「そんなに大事に作ったゲームじゃなかったのか」と思ってしまいます。
それに、板垣さんは声明の中で
6月5日に発売される NINJA GAIDEN 2 が、私の作る最後の NINJA GAIDEN です。また私が DEAD OR ALIVE 5 を作ることももうありません。長年尽くしてきたテクモを去ること、そしてファンの方々のご期待に背くことになりとても残念です。
とファンに向けてのメッセージを書かれていますが、ゲームに関する権利は作った人間ではなく会社の方にある現状を考えると、今後ニンジャガイデンDOAを作るのはテクモであって板垣さんではありません。
もし一連のごたごたがテクモの経営に影響が出れば、続編を作ることすら難しくなる可能性もあります。
本当にファンのことを思うのであれば、なにゆえテクモの評判を落とすようなやり方をするのでしょうか?
テクモの会社の体質を変えたいというような大きな目的があってのことだとしても、それならば内部から変えればいいこと。
テクモのやり方が気にくわないのであれば、信用できる社員を引き連れて新しい会社を立ち上げるなりすればいい話。
報酬の未払いで訴えるのは自由ですが、わざわざあのタイミングで声明を発表する必要はどこに?
まして、ファンに対して
守れる約束を守ろうともしない安田善巳社長と、一緒に仕事をすることはできないのです。
なんて言葉を投げかける必要はあるのでしょうか?これでは、「僕が悪いんじゃない。社長が悪いんだ!」という子供の喧嘩みたいな印象になってしまいます。
雑誌などのインタビューでは、俺様調で自信満々に語っていた板垣さんだけに、もう少し格好いいやり方をしてくれると思っていたんですけどね。残念です。

板垣さんの今後の動向は気になりますし、別の会社に入るなり新しい会社を立ち上げて新作に取り組むのであればチェックしていきたいと思っていますが、Team NINJAのファンとしてはニンジャガイデンDOAの続編が無事に出てくれることの方が大事です。
俺がTeam NINJAのゲームを追っかけていた理由は、板垣さんに惚れ込んだからではなく、リュウ・ハヤブサが出ていたからですからね。
そもそも3D格ゲーが好きでもなかった俺がDOAを始めたのは、忍者龍剣伝リュウ・ハヤブサが出ていたからに他なりません。
最近では中国武術を使うキャラに惹かれて、リュウは全然使ってませんけどね。リュウは技の難度も高めだし(笑)。



板垣さんが抜けたTeam NINJAに望むこと。

・クオリティを維持して欲しい
これが一番心配です。板垣さんがちゃんと人を育てていれば心配ないと思いますけど。

・初心者への救済措置を
ニンジャガイデンはアクションをやり込む人じゃないとそもそも手を出さないでしょうけど、イージーモードなどの措置があればアクションが苦手な人もやってみようと思うんじゃないでしょうか?
極めたい人は難易度を上げれば良いだけですから、下手な人をばっさり切ることもないのではないかと。
DOAのストーリーモードなんかはアクションゲームを極めたいという目的でプレイする人は少ないと思うので、もう少し楽にしても良いと思います。
キャラで売っている面があるというのに、なぜにキャラファンを切り捨てる難易度にするのかわかりません。
DOA4のアルファは慣れた人ならそれなりの対処ができる敵だとは思いますが、それでもコスチューム集めのためにプレイしているときなんかは「イージーでさくさく終わらせたいなー」と思います。
ましてやDOAXなんて、キャラファン以外はろくに手を出さないジャンルだというのに、なぜあんな無意味に手間のかかる仕様なのかと。

・ストーリー性を高めて欲しい
せっかくキャラは立っているのにストーリー性が少々希薄。ニンジャガイデンはゲームとして面白いのですが、ぐいぐい引き込まれるようなストーリー展開はありません。
墜落する飛行要塞からの脱出する方法を探すリュウ・ハヤブサ。超忍のリュウ一人であれば飛び降りても大丈夫そうだが、女性連れ(何かしらの訓練は受けているようだが超人ではない)なので無茶はできない。リュウが取った脱出手段は!?
バイクで脱出。挙げ句に着地ミスって転倒!
いや、死ぬだろ(笑)。
そんな感じのつっこみどころも多いです。
DOAは格ゲーですからそこまで凝ったストーリーはいらないとはいえ、「我こそは深山の女天狗」(DOA2あやね)とか、「人魚になって海を泳ぐという夢落ち」(DOA4かすみ)など、訳がわからないエンディングは数多い。

NINJA GAIDEN を忍者龍剣伝に戻して欲しい
旧作からのファンとしては、海外向けのタイトルであるNINJA GAIDENよりも、忍者龍剣伝というタイトルに思い入れがあります。
悪魔城ドラキュラも一時期キャッスルヴァニアと名を変えていたいましたが、今は昔から馴染みのある悪魔城ドラキュラに戻りました。
英語として意味のあるタイトルならともかく、忍者外伝って結局日本語じゃないっすか。なら忍者龍剣伝でもいいのでは?と思ってしまいます。
最新のハードで作り込まれた3Dの作品ばかりでなく、DSで昔ながらの2Dの忍者龍剣伝の新作を作るなんて動きがあっても良いかと。

・「女性キャラ=胸がでかい」ってそろそろやめませんか?
もうバストが90cm近いキャラはいりません。バーチャや鉄拳が勢いづいていた時期にオリジナルの3D格ゲーとして売り出すには、他との差別化のために女性キャラの胸を強調するというやり方もアリだったとは思いますが、今となってはそこを強調する必要はないでしょう。
そんなことだからいつまで経っても「乳揺れゲー」などと呼ばれ……。
「女性キャラがうちの売りだ」と開き直るのであれば、それはそれでもっと個性を出すべきではないかと。
あと、ロングヘアーがデフォのキャラも多すぎ。昔はハードの性能的にロングヘアーができないとか、少ないポリゴンでは髪型も記号化しないとキャラの見分けがつかないといった理由で、ロングヘアーにしたくてもできなかったんでしょう。
しかし、いくら見分けがつくったって、こうもロングが増えるとキャラの個性が……。
ロングで巨乳ってのは誰かの趣味なんでしょうかね?



さて、長くなりましたがニンジャガイデン2の話に戻ります。
まず難易度ですが、一番簡単なモードであれば前作を挫折した人でもある程度はなんとかなるレベルになりました。
その理由として一番大きいのが、目の前から敵がいなくなればライフが上限値まで回復するということですね。
ライフの上限値は受けたダメージに応じて減少していきますが、一番簡単なモードでは上限値の減少が厳しくないので、生き延びることさえできれば先に進むことができます。
しかも、セーブポイントには一回限りではありますがライフの上限値を全快にしてくれる効果があるので、たとえボロボロになりながら進んでもセーブポイントまでたどり着けば持ち直すことができます。
セーブポイントが比較的こまめにあるので、もしやられてしまった場合でもリトライが容易です。
リトライが容易と言えばボス戦もそうですね。今回はボスで死んだ場合のコンティニューは、セーブポイントまで戻されることなくボスの目の前から始まります。
ただし、ボス戦でのコンティニューはボス戦に入った時に状態で再開されるので、道中でダメージを受けてライフの上限値が減っていた場合はその状態に戻されます。ボスに突入するときにアイテムを使い切っていて、ライフの上限も減っているとコンティニューがあってもつんでしまうので注意が必要。
まあ、セーブポイントが多いのでボス前にボロボロになることはそうそうないと思いますが。
リトライでつらいといえばボス戦よりもむしろボス戦の後ですね。
中ボスクラスの場合は倒したとしても近くにセーブポイントがないケースも多いので、雑魚にやられてボスからリトライってことがあります。
雑魚ならまだしも、「水中に設置されている機雷に気づかずに進んで死亡>ボスからやり直し」ってのを食らったときはもう……。通常の水ならすぐに気づいたけど、マグマっぽい真っ赤な水(それとも超忍はマグマもすいすい泳げるのか?)では気づきにくいです。第一、ボスの部屋からの出口にトラップを仕掛けられているとは思いませんよ……。まあ、そうやって油断したところを狙うからこそトラップなんですが(笑)。
そんな感じで前作よりは下手な人にも優しい仕様になっています。アクションゲームは全然だめって人でもなければクリアできるかと。
ただ、ボス戦が若干大ざっぱになってしまった印象があるのが残念。
前作は「かわし方はわかるけどタイミングがシビア」とか「こういうパターンに持って行けばいいってのはわかるけど、それを確実に実践するのが難しい」といった感じで、激ムズではあっても成功パターンが見えるボスがほとんどだったんですが、今回のボスはむやみやたらに大きな当たり判定の攻撃を繰り出してきたり、こちらの動きなどお構いなしに暴れるパターンが増えたりと、若干大味な印象を受けます。
中には、敵の攻撃を見切るよりも弱点を力押しした方が効率良いパターンもありました。
難易度を上げれば印象が変わる敵もいるのかも知れませんが、攻撃パターンが根本から変わることはないと思うので、大味な印象はぬぐいきれないのではないかと。
雑魚との戦闘は爽快感が上がって面白くなりましたね。
重要なのが滅却というシステム。
このゲームは敵を斬ったときに腕や足を切り落として欠損させることがあります。最初はこういうグロテスクな表現を重視する必要はあるのか疑問に感じたのですが、滅却は部位を欠損した敵に強攻撃をあてると一撃必殺となるシステムなので、使いこなせるようになってくると部位の欠損が唯のグロテスクな表現ではなくゲームのおもしろさに変わります。
さらに、敵によって部位を欠損しやすい攻撃や武器が違ったりするので、敵の弱点に合わせた攻撃を見つけるおもしろさがあります。
もちろん、この滅却のシステムを使わなくても敵を倒すことはできますが、普通に攻撃した場合だと10回以上斬らなければ倒せない敵でも、効率の良い攻撃法を見つけるとたった1回で部位の欠損が発生させてそのまま滅却につなげて倒すことができます。
実に便利なシステムですが、欠損した敵は自爆という大ダメージ攻撃を仕掛けてくる場合があるので、欠損から滅却をきれいにつなげないとピンチになる場合もあります。
斬っていく爽快感が上がった反面、敵の攻撃が「的確なコンビネーションで攻めてくる」というよりも「数で押してくる」という感じになったので、若干大味になった印象もあります。
特に狭い場所ではカメラの移動も追いつかないので、的確な動きで敵に対処するよりもとりあえず飛燕(空中から敵に向かって高速で突撃する技)を連発した方が安全という場面も。
ただ、だからといって決して難易度が低いという訳ではないので、無双系アクションのようにボタン連打なんてしていたら序盤であっても簡単にやられてしまいます。

簡単なモードであれば「がんばればなんとかなる」バランスですし、回復薬を使いまくればある程度のボスは力押しでもクリアできますが、ラスボスだけは3連戦なので回復薬頼りだけではクリアできません。
前作のハードモードをクリアした友人でもラスボスはある程度回復薬に頼ることになったらしいので、回避が難しい攻撃も多いようです。
腕に自信のない人は、回復薬だけでなくライフの上限値を上げるアイテム(上限値が上がるついでにライフが全快する)と、気力の上限値が上がるアイテム(これも気力が全快する)もいくつかはラスボスまで温存した方が良いですね。
気力があると忍法発動の無敵時間を利用してほとんどの攻撃をさけられるので、下手な人にとってはある意味ライフ回復より重要です。
なにせ、攻撃の種類によってはたった2発で瀕死になるゲームですから(笑)。
ちなみに俺は、ライフ回復小×3、ライフ回復大×3、ライフ全快×1、ライフ上限アップ×2、気力1回復×3、気力上限アップ×1を使い切ってなんとか勝てました……。
どこかのサイトで「ライフ上限アップはラスボスまで残しておいた方が良い」という記事を事前に見ていなければ、今頃回復が足りずにつんでいましたよ………。


少し書き忘れていたので追加。
前作に比べて「ゲームの進行に必要なアイテムを取ったら元来た道を戻って使う」という「謎解き」というよりは「お使い」的イベントが減ったのが良い。
アクションを楽しむゲームなんだから、無駄に同じ場所を言ったり来たりしたり、入口を捜して右往左往させる必要性は感じませんからね。
ただ、基本的に一本道であるにもかかわらず、どこに進めばいいのかわかりにくい場所があります。
その辺はちょっとした工夫で改善できたと思うので少々残念です。