もう終わりなんですねー

気がつけばアニメのナイトウィザードも最終回目前ですね。
1クールだから短いのが当然とはいえ、体感的にもっと短かった気がしますよ。ここまで毎週楽しみにしていた作品はそうそうありませんから、その所為でしょうかね。
でも、終わってしまうことへの寂しさはありません。柊蓮司サーガの最終章が無事完結することに、ただただ喜びを感じます(笑)。
さて、ではアニメの内容について触れるので、ネタバレを避けたい方は読まないで下さい。








まずは先週書かなかった11話。
ある意味予想通りである意味予想より寂しい展開になってましたね。
エリスが孤児院にいたという記憶が偽物というのは予想できましたが、いきなり事実を突き付けるのではなく、まずはさも昔そこにいたかのように歓迎しておいてから落とすという展開とは……。落とす前にまず持ち上げる。きくたけさん、こういうの好きそうだなー(笑)。
まあ、この手の込んだやり方をする理由が12話でわかることになるのですけどね。
ちなみに、何らか後からで過去を捏造していたことがわかった時や、プラーナが尽きて存在を保てなくなった時など、エリスのようにこの世界におけるその人物の痕跡が消えていくと言う展開はナイトウィザードの世界ではお約束の演出です。失踪するのではなく、本当に存在自体が消えてしまうのです。
もちろん、その人物を知っていた人達の記憶からも消えてしまうのですが、その人物と深く関わったウィザードだけはその人物のことを憶えていられるというケースが多い。
記憶が消えないことに関して事細かな理由付けがされることはありません。あえて理由を挙げるなら「ご都合」
忘れてしまった方がいい話になりそうであれば「忘れてしまった」ということにしても良い。
TRPGの8割り「理屈」ではなくは「ご都合」で形成されます(笑)。

それにしても、世界を救うためにエリス一人を犠牲にすると言う展開で、緋室灯をエリスに敵対する立場に置くというのは、原作ファンからするとなかなか興味深いことです。
緋室灯はリプレイで最初に登場した時こそ「無感情で任務を遂行する」というキャラでしたが、今は無表情なだけで無感情ではなくなりました。アニメでもそれがわかる演出をしているのが嬉しい。
それに、紅巫女では緋室灯自身が「世界を救うため」という名目でウィザードに狙われましたから、エリスに対しては仲間意識以上の感情を抱いていたはず。
柊蓮司との戦いでは、プラーナ解放したり幻想舞踏を使ったりとかなり本気っぽい緋室灯ですが、その割りにあっさりと負けているので通いはあったんでしょう。
でなければ緋室灯が負けるという展開は考えにくい。
キャラとしての強さ云々じゃなくて、英麻様なら素晴らしいダイス運で柊蓮司など一瞬で倒してしまいそうで……(笑)。
ちなみに、ガンナーズブルームは接近距離では使用できないため、本来であれば緋室灯は接近戦に弱い。

※幻想舞踏
ダイス目を問答無用でクリティカルに変更するという、強化人間を代表する特殊能力ではありますが、具体的にどういう能力なのかはルールで描写されていませんでした。そのため、アニメではどういう演出になるのか興味がありました。

※英麻様のダイス運
英麻様こと小暮英麻さんは恐るべきダイス運の持ち主です。
そのダイス運を以て、ボス戦でどっちがボスかわからなくなるほどの大活躍を見せるのはいつものこと。
英麻様のダイス運がひどかったのは、紅巫女の時にきくたけさんからもらった砂糖菓子みたいなダイスを使った時だけ。


魔王がアンゼロット宮殿を襲撃してましたが、「ヴォーティカルショット」って相変わらず初級魔法ばかり使うなー(笑)。
そして、リオンのヴォーティカルショットで吹っ飛んだのは「ロンギヌス・コイズミ」。
派手に吹っ飛んでますが死んでいません。「仮面がなければ即死だった」のかもしれませんけど(笑)。
「コイズミ」という名前は、声を当てている小泉豊かさんの名字がそのまま使われています。
小泉豊さんは決まった役こそ無いものの、全13話中12話に登場して、様々な脇役の声を演じているらしいです。
エリスと柊蓮司が過去に行く話で、現場監督を演じてアイキャッチまで担当したのが小泉さん。
今月のふぃあ通にもエリス役の宮崎羽衣さんと一緒にゲストに呼ばれて、その辺の裏話もしてくれました。
どーでも良い脇役の現場監督がなんでアイキャッチやってたのかという謎がやっと解けた(笑)。


12話。冒頭の柊蓮司と赤羽くれはの回想シーンは、セブン=フォートレスのリプレイ「フレイスの炎砦」で作られたエピソードを基にしています。
フレイスの炎砦はセブン=フォートレスのリプレイでありながら、柊蓮司や赤羽くれはが大きく関わっている作品。
柊蓮司が出ていた作品とはいえ、ナイトウィザード以外のネタもしっかりとフォローしてくれるとは……。
こんなに原作を大事にされる事ってなかなかないですよ。

ベール=ゼファーはいつも暗い場所にいたので、普段着がある程度はっきりと見られるのは前回と今回だけでしたね。
原作を知らない人のために解説すると、ベルは輝明学園の制服を着ています。
以前、とある目的で輝明学園の忍び込んだことがあったのですが(ルールに載っているサンプルシナリオ)、その時の制服が気に入ったので以後は普段から着るようになったそうです。

赤羽くれはがエリスに敵対するという構図も、緋室灯と一緒で原作ファンからすると興味深い展開。
星を継ぐ者というリプレイでは、赤羽くれはが世界の滅亡に関わるという理由で抹殺されそうになっています。
その時、柊蓮司は所属していたウィザードの組織を裏切り(当時はまだアンゼロットと関わっていなかった)、くれはを守るために戦っている。
アニメのパーティって柊蓮司以外は全員「世界を守るため」という理由でウィザードに狙われた経験のある人達ばかりだなー(笑)。
まあ、TRPGでは同じキャラで何度もセッションを行うとこういう事もよく起るけどね。スタート段階ではただちょっと強い人間ってだけだったのに、デカイ事件に関わっていく内に全員が実は神とか過去の英雄の生まれ変わりなんてデカイ設定がついちゃったりする(笑)。


キリヒト=ゲイザー=おじさま
全部一緒かよ!?
キリヒトは余りに怪しすぎるから、これで「黒幕の手下でした」って話だったらまんま過ぎると思ってましたが、黒幕本人ときましたかー……。
ゲイザーは随分と身軽に動いていたなー。あと、アンゼロットも少しは気づけ(笑)。
予備知識無しで見れば普通にキリヒトとゲイザーを疑ったんでしょうけど、俺は下手に原作を知ってたので「アンゼロットならそんなことを見落とさないだろー」と思いこんでましたよ。
アンゼロットの体たらくはともかく、展開その物はナイトウィザードらしい王道できましたね。
堕落した世界を儚んで、世界を破壊し再生しようというネタもありがち。ありがちなのはむしろ良いことなのだが、そのための準備が「魔王の転生体を用意し、アンゼロットも上手く騙して利用しました」ってだけなのは少々弱い印象です。
それに、アニメでは語られていない「世界結界」や「裁定者」といった設定や異世界との繋がりなどを考えると、ゲイザーの行動は少々短絡的すぎる。
この手の「堕落した人間達を滅ぼして世界を再生させる」という話は、主に戦争や文明といった物を敵視します。
しかし、ナイトウィザードの設定では「文明」は決して否定することの出来ない重要なファクターとなっています。
この世界をエミュレイターの侵攻から守っている世界結界は、科学や文明で魔術や神という超常的な物を否定することで成り立っている。
つまり、「文明により人類が堕落して世界が滅ぶ」というありがちな構図がナイトウィザードの世界観では成り立たない。そして、戦争らしい戦争も起っていない。
「ゲイザーは人類の何に絶望して世界を再生させようと思うようになったのか?」という部分の練り込みが甘い感じがします。
まあ、アニメだけを見ていれば「ただのありがちな展開」と言うだけであまり気にならなかったのでしょうが、原作を知っているとちょっと気になる部分です。