愛はさだめ さだめは死

ナイトウィザード2ndのリプレイが発売になりました。
NW2のリプレイはファンブックのフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンや、DVDの初回特典であるナイトウィザード通信に掲載されている物がありますが、文庫本で発売されるリプレイとしては第一弾となります。
そんな最初を飾るリプレイの著者は田中天さん。「愛はさだめ さだめは死」というタイトルは、古典SFのタイトルだそうです。
田中天さんのリプレイはノリが良くて面白いと言うだけでなく、ネタの仕込み方とかプレイヤーへの配慮とか色々参考になるんですよね。
菊池たけしさんの場合は、GMとしての「手法」よりもアドリブ力と勢いという「本人性能」で進めている部分があるので、真似をすることどころか参考にすることしかできないケースが多いんですよ(笑)。

さて、このリプレイの見所ですが……。
ナイトメア級のひどいキャラにあふれていると言うところでしょうか(笑)。
ネタ多めのナイトウィザードといえど、ここまでひどいキャラが集まったのは初めて。


マントが侵魔との契約の証になっているため、風呂にはいるときすらマントが脱げない落とし子。夜見トオル。またの名を「ナイトウォッチ」

まあ、かわたなさんですからこの程度のネタを入れるのはいつものことと言えますけどね。


中華風なイメージの陰陽師鳳来寺麒麟。師匠は「ビッグ・ザ・陳老師」

キャラはまともなのに、なんで咄嗟に口をついて出た師匠の名前がビッグ・ザ・陳老師なのかと……。



廃部になりそうな天文部の存続のために奔走する少女。子ノ日葵。なんの力を持たない一般人。ある日、謎の精神生命体ゲシュペンストに寄生された。時折意識を乗っ取られてウィザードとして活躍しているが、葵本人は気付いていない。

デザイナーである菊池たけしさん自らが掟破りも甚だしいキャラ設定です(笑)。


魔物の力を身に纏い、街の平和を守るヒーロー「リンカイザー」ディフェンダーなので攻撃力がない。ゆえにワークスは「勝てないヒーロー」。その正体は、正義感が強いけど脳みそスライムな青年。橘輪之助。

さすが矢野俊策さんだけあってディフェンダーとしてはかなりカツカツに作られていますが、なぜここまでバカなキャラなのか……。


色々な意味でネタ満載なリプレイではありますが、NW2のリプレイとしては結構正統派な感じです。
冥魔という新たな敵の登場により「魔王=敵」という単純な構図が崩れたNW2の世界観では、侵魔との関わり方に変化が生じています。
このリプレイでは、ベール=ゼファーのような名の知れた魔王に頼ることなく、完全にオリジナルの展開で侵魔とウィザードの関係を活かしているので色々と参考になります。
今の世界観で一番楽な展開が『冥魔に苦しめられるウィザード>「手を貸してあげてもいいわよ」とベルなどの魔王登場>何か裏があると思いつつもとりあえず共闘』って感じか、「アンゼロットなどの指令を受けたウィザードと、魔王に仕えているウィザードの共闘」ですからねー。
まあ、こういうベタな感じがナイトウィザードらしいともいえるんですが、たまには違う切り口のシナリオを作ってみたいと思いますからね。
でも、「寂しそうにたたずむ魔王」とか「ゴツイ甲冑の魔王が猫にいじめられている」なんてのは切り口が新しすぎですから(笑)。